モデルプレーン ジェミニジェッツ 1/400 〜A300の短胴型 A310〜
今回はジェミニジェッツより1/400のA310をご紹介します。
A310はA300の胴体を短くしたタイプの旅客機で、初飛行は1982年です。当初エアバスによる初めての旅客機A300は、ヨーロッパのみならずアメリカでも採用され順調に売り上げを伸ばしていましたが、1970年代になるとオイルショックの影響で航空機の需要が低下、1980年代になるとB727やDC-8と言ったそれまでメジャーだった航空機の後継機が必要となり、エアバス社ではA300を元に胴体を切り詰め、需要が高まると予測された座席数200席規模の旅客機を開発しました。A310という名前は「A300の胴体を10フレーム分短くした」つまりA300-(マイナス)10、そこからA310という名前になったそうです。
この機体は今はなきブリティッシュ・カレドニアン航空の機体です。この航空会社はかつてロンドン・ガトウィック空港を拠点したイギリスの大手航空会社です。1980年代には東京線も就航させていました。1988年にライバルであったブリティッシュ・エアウェイズに吸収合併されています。
JASのA300と一緒に。胴体がだいぶ短いこと、短胴化により機体後部の尾翼にかけてのラインがかなり急であることが分かります。
A310は日本の航空会社は運用していなかったのであまり有名ではありませんが、ワイドボディ機で初めて操縦士2人だけで運行可能な機体であったり、ロシアで型式証明を取得したりと非常に革新的な機体であると言えます。また改良されたA310-300は航続距離が伸び、ETOPS180の認証を受けパンナムは欧州と米国の北大西洋路線等の長距離路線に導入しました。
日本国内ではA310は運用されませんでしたが、A310の技術を取り入れたA300-600はJASと、その後JALでも運用され、日本におけるエアバス社製旅客機のイメージを構築したと言えます。
現在ではほとんどが貨物機としての活躍となっていますが、一部は政府専用機や空軍の輸送機などでも活躍しているようです。